安定定男さん(庭師)の名言

雑誌「庭」主催で安諸定男さんと河西力さんが対談した際の名言。

若手庭師を目の前にして、何かメッセージをといわれた時に
ぽつりぽつりと話されたのがこの言葉。

「バカでもスケベでもいいから長生きしたら勝ちなんですよ」

戦争を体験されている安諸親方だからこその言葉だと思います。
親方によると、町内で賢かったり腕が良かったりした
尊敬できる年上の人がたくさん戦争で亡くなってしまったとのこと。

将来、大人になったらいろいろ教わりたかった人たちを
一気にたくさん亡くしてしまったのだそうです。

結果的に親方は、
その尊敬できる人たちすら持っていなかった才能を開花させ今に至るわけですが、
若かりし頃は、それらの人と比較して劣等感を抱いていたといいます。
それに打ち勝った第一歩が根性と負けん気。
庭の仕事が軌道に乗ってからも、苦手なジャンルの作業もあったそうです。
(今では考えもつきませんが…)
そんな劣等感を胸に持ちつつ、70歳を過ぎた現在だからこそ
実感し伝えることができるのが、この言葉だったわけです。

そして、その言葉の後に続いたのが、
「私みたいになんでもいいから生きて、70歳とか通り越したら、
やっとやりたかった類いの庭づくりの仕事が回ってくるんです。
だから、それまで努力してがんばってください」
という言葉です。

70歳になっても続く努力の道。
一見、終わりなき苦労の道のようですが、
60歳で定年といわれ、
華やかなスポーツ選手が20代でピークを迎えて40歳前に引退する今、
「道」を死ぬまで追求できる職人は
その苦労とセットで幸せを自ら育てることができる
数少ない生き方だとも思えます。


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カテゴリー: 取材した人の名言, 安諸定男の作庭技塾, 隔月刊誌「庭」 パーマリンク

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