隔月刊誌「庭」 庭師道具図鑑204号 間中刃物店 取材後記

(取材後記なので、本編とは違って、リラックスして書きます)

庭師道具図鑑 間中刃物店 編集後記1いやはや、間中さんはすごいお方でした。
とても研究熱心で、地域のことや道具のこと、いろんなことに詳しく、つくるものも一級品。早い、美しい、ミスがない。その上で、レパートリーが豊富。研ぎ方やカシメの触り方も教えてくれるなど、アフターフォローも完璧。すごい方が首都圏にいたものです。前号に出ていただいた浜北の中村さん(突鍬)もそうですが、まだまだ日本全国に自分が知らない凄腕の鍛冶屋さんがいそうです。
ビックリしたのは、サイズや形状をメモした昭和51年からのファイル。すべて手描きで、分厚いこと、分厚いこと。この中に、庭師道具はもちろん、農具や包丁などなど、さまざまな道具の情報が書き込まれています。
(刈込鋏の手描きメモは本編で公開予定)


庭師道具図鑑 間中刃物店 編集後記2それらの道具の中でよく出るものは、ストックも豊富で、さまざまなサイズが用意されていました。刈込鋏だけでも何種類もあるわけです。倉庫の奥にも案内してもらったら、柄を付ける前の完成した手打ちの部分がたくさん箪笥に仕舞われておりました。
また、この箪笥。すごいおもしろ道具の宝庫でした。鰻掻きなる道具があり…
あ、話が長くなりそうなので、戻します。鰻掻きの話は、どこかでお会いした時に。


庭師道具図鑑 間中刃物店 編集後記3せっかくの機会だから…と、刈込鋏の火づくりも見せていただきました。いやはや、むちゃくちゃ早いです。どんどん刈込鋏の形が生まれてきます。できた形状も、手数も、まったくムダがなく50年選手の凄さを目の当たりにしました。
これまで出会った鍛冶屋さんのほとんどが、気さくな方ばかりです。職人気質で怒られそう…というイメージは当てはまりません。もしかすると、お弟子さんにはそのように接しておられるかもしれませんが、自分のような外部から来る人間には、本当にやさしくあたたかく接してくれます。
ただ、そのような柔和でやさしい鍛冶屋さんたちも、みな、火床に入ると顔つき、目つきが変わります。すごい集中力なんです。


庭師道具図鑑 間中刃物店 編集後記4間中さんのところの刈込鋏は、このような形状です。記録が残っているだけで四代目なのですが、その長い期間をかけてたどり着いた形状です。京都を中心とした西の刈込鋏をご存知の方は「お、ちょっと形が違うねぇ」と思われたのではないでしょうか?
※もちろん本編では全形状の写真やつくる過程を詳しく掲載します。ブログなので出せるのはこれが精一杯…。


庭師道具図鑑 間中刃物店 編集後記5午後1時から始めた取材ですが、詳しく解説いただいたり、火づくりを一通り見せていただいたり、職人としての生き方などを詳しくお聞かせいただいたので、取材が終わった時には、冬の太陽はとっぷり暮れてしまいました。火が消えた作業場に入ると、土からしんしんと冷たさが足を伝ってきます。夏は真逆。炎天下の中、冷房もなく、火と格闘されています。あらためて、《火と格闘する》《自然とともに生きる》という言葉を感じ取りました。


庭師道具図鑑 間中刃物店 編集後記6今回も素晴らしい職人さんと道具を取材できました。何代も何十代も磨き続けられてきた道具が、埼玉県春日部市には存在しています。さまざまな日本の伝統が失伝していく中で、地域に息づきながら伝統が保たれていることは、とても素晴らしくとありがたいことです。この伝統が長く後世に伝わる一助になりたいと、思いを新たにしました。
2012年も庭師道具図鑑、がんばります!

長ったらしい取材後記になっちゃいました。とにかく、本編をお楽しみにお待ちくださいませ☆


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